• 240209.三味線の練習-Practice Shamisen

    今日練習した曲は以下。調弦ごとに記載。一部はiPadのマイクで録音。

    • 本調子
      • 勧進帳
        • 寄せの合方
        • 瀧流し
      • 鏡獅子
        • 大薩摩
    • 二上り
      • 吉原雀
    • 三下り
      • チンチリレン

    録音がある曲

    勧進帳 寄せの合方

    寄せの合方は、日本の有名な歌である「さくらさくら」の次に師匠に教えてもらった勧進帳という長唄の曲の一部分で、僕が長唄に興味を持つきっかけになったフレーズである。実際の演奏を聴くと、音楽的な緊張感がかなり高まっているところからこのフレーズが始まる。

    メトロノームを使ってゆっくりと弾くこの練習は、中高生時代の吹奏楽部で行っていた練習である。中学生時代、ファゴットという木管楽器を担当していた私は、時々レッスンしにくる先生に、とにかくゆっくり、間違えないように練習することの重要性を教わった。脳に間違った指遣いを覚えさせないようにするためだという。

    この練習法について書いているちょうど今、フレーズ全体を一通り弾くのではなく、フレーズの一部を反復する練習をもう少し増やしたほうが良いと感じた。特に弾く弦を変えるのが苦手で、左手が滑るか、バチをスカす事が多い。寄せの合方はシンプルな指遣いながら意外とこんがらがるフレーズなので、反復練習をする事で効果のある部分が多い。

    勧進帳-瀧流し

    次も勧進帳から瀧流しである。寄せの合方の次に教わったフレーズだ。なんというか、めちゃくちゃ難しい。ハイポジションの指の形をそのままスライドさせたりするフレーズはピッチがズレるし、根本的に苦手な指の使い方が出てくる。特に苦手なのは左手薬指で押さえている弦をその指ではじき音を出す指遣いだ。バチ捌きもこのテンポでは回るがこれより早いと回らない部分が出てくる。

    その部分を知るためにあえて自分が今弾ける最大の速さで弾く練習を毎回行う。目的が目的なので間違えてOK、むしろ間違えるところを的確に発見するための練習である。最後の部分が全く回っていない事がわかる。

    大薩摩

    大薩摩は師匠曰く、形式のある即興パートらしい。とりあえず基本的な形式を教えてもらい練習している。大薩摩は変拍子、ハイポジションの連続があり、むずかしいが楽しいフレーズだと思う。これがサラッと弾けたらめちゃくちゃカッコいいだろうなぁと思うし、即興の要素をどんどん取り入れたい。

    大薩摩もできる限りのスピードで弾く練習をする。この練習は先ほどの通り失敗する部分を発見するためではあるが、それだけでなくこのくらいのスピードで弾きたい!と思うためのモチベーションにもなる。メトロノームに合わせ続ける練習だけだと参ってしまう。続ける事が重要なので、きつい練習だけでなく楽しい練習を取り入れる事を大切にしている。

    今日の練習で考えたことをまとめる。

    • ゆっくり練習することで、ギターでいうオルタネイトピッキング的なバチ捌きはこれまでに比べてかなり向上した。しかし、指遣いのミスはフレーズの一部を取り出して反復練習をした方が確実に効果がありそうだとは前から思っていたが、そろそろ反復練習をするためのフレーズをまとめたほうが良さそうだ。
    • バチをスカしてしまう事が多々あるが、改善に繋がる練習がいまいちわからない。開放弦を特定のテンポで弾くだけでも効果はあるかもしれないが、三味線は左手で弦を押さえる場所によって弦の高さが微妙に変わってしまう。もしかしたら弦ごとに勘所(押さえるポイント)の移動をしつつ、バチで弦を弾く練習が効果があるかもしれない、と今思った。
    • チューナーを導入して、音程を確認してもいいのかもしれない。
    • 録音をする事で振り返りができるが、iPadのマイクだと情報量が少ないため、なにかしら機材を導入したいと思った。

    三味線の練習によって作曲の時のフレーズの引き出しがかなり増えるので、引き続き練習を頑張りたい。

    2月 10, 2024
  • 240203.music.TEST.about nakameguro koen 240113

    このブログはkengoshimiz500という、文章力向上を目的としたブログとは違い、音楽についての考え事や、パフォーマンスの投稿、日々の練習の成果を不定期に更新するためのブログにしていく予定。

    この録音は2024/1/13に中目黒のkoenで行ったライブパフォーマンスのもの。本来は4chのマルチスピーカー用のシステムのためのパフォーマンス。

    レコーディングの問題があり、1.2chは録音できていなかった。幸いなことに3.4cは録音できていたのでSoundCloudに投稿した。

    このライブパフォーマンスはラフなアプローチで、ルーパー(のようにしたディレイ)と三味線の相性を確かめるためのものだった。大正琴は補助的に使用した。

    このルーパーは2つのディレイが互いにフィードバックし合う構造になっている。足元のスイッチでループの長さをリアルタイムに変えることで、ほぼ無限に鳴り続けるディレイとしても使えるし、ルーパーとしても使用できるようになっている。またフィードバック構造のおかげで、例えば0.1秒程度のループを作った後に、ループの時間を4秒にすると、4秒のループに0.1秒のループが充満することになる。そして4秒で1周期のフレーズを弾くと、二つの時間が重なることになる。前の時間の履歴をある条件下では残す事ができるため、”Time Variation”という言葉をタイトルに記した。

    Time Variationである意図としては、まだ印象にすぎないが、日本の伝統音楽は歌いものであれ語りものであれ、芸術として作られたものは時間の変動を推進力にしているように感じられる。これまでの時間の進み方とここからの時間の進み方をガラッと変えて新しい展開を生み出す。

    私は、過去の時間の進み方や、それまでに使われた要素を引き連れたまま展開を劇的に変更するアプローチをとってみたいと考えた。それ以上に考えたことはない。

    4chにした意図は特にない。せっかくスピーカーを4つ持ってきたのでマルチチャンネルをやろう、と思ったくらいだ。意図がないので複雑なことは何もしていないし、パフォーマンスの内容とリンクしていない。

    なぜ4つのスピーカーがあったのかというと、2つのスピーカーでは非力だと考えたからだ。

    この日koenで私を含め2組がライブパフォーマンスをすることになっていた。私がスピーカーを準備したのだが、2つのスピーカーだとあまりにも非力すぎるため、4つのスピーカーを持っていき、設置。さらに私のPCでMaxを立ち上げスピーカーを4台のスピーカーを制御していた。といってももう1組の機材から出力されるステレオ入力を4台のスピーカーにに割り振るだけだった。

    このパフォーマンスで気に入っている部分は、この録音のはじめのセクションだ。三味線の音程をGから少しずつ上げつつ、同じリズムで弾き続けることで、殺伐とした雰囲気のある伴奏が仕上がる。これはパフォーマンスの前日に1時間くらいこの機材セットを触ってみて見つけたものだ。めちゃくちゃな音程ではあるが音楽的なループで仕上がっている伴奏に特徴的でない旋律を重ねることで生まれる様子が面白いと思った。この旋律は2回か3回繰り返した。

    ルーパーと三味線の相性はそれほど良くない。上記のようなセクションが生じることに関しては有用であるが、ループだけでなく、ダイナミックな時間変化も作りたいのだ。ループのスピードを段々早くしたりして緊張感を高めつつ、スパッと音を消したりする機能は必要そうである。

    音楽の内容についてもう少しだけ書けば、このライブパフォーマンスでは以下の音階を使用している。

    第2陽音階や第4陽音階は私の師匠である宮内基弥さんが提出したもので、都節音階については上原六四郎が提出したものとして考えて使っている。

    ほとんどのフレーズは長唄の練習で覚えた手を使ったり、それを簡略化したもの、もしくは聞いた事がある長唄の旋律を自分なりにその場で弾いたものなので、都節音階にしろ、陽音階にしろその用法はほとんど長唄由来だと言える。

    音階の詳しい話は長くなる上に、提出された音階の成立に関する完全な理解がまだ自分は出来ていないため(体ではなんとなくわかるんだが)いずれ別のタイミングで記述することにする。

    テストのために作った記事が、こんなにも長くなってしまった。このブログは過程を更新するためのものであり、完全な記事が書かれるはあまりないだろうが、あたたかい目で見守ってほしい。

    2月 3, 2024
  • kengoshimizWeb
  • Instagram
  • X
  • blog
  • Spotify
  • Bandcamp
  • Soundcloud